【理事長挨拶】


202621日付で、日本皮膚科心身医学会第4代理事長を拝命いたしました。
私は檜垣祐子先生のもとで皮膚科心身医学を学び、その後、母校である旭川医科大学皮膚科学教室に戻りました。以降は、日常診療で経験した症例や自身の取り組みを本学会で発表し、学会員の先生方から多くのご指導を頂きながら研鑽を重ねてまいりました。
本学会に育てていただいたという思いを胸に、微力ではございますが、学会のさらなる発展のため一層精進してまいる所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。

 

本学会は1987年、岡部俊一先生が「心身医学の重要性を認識し、まずは皮膚科医に心身医学を知ってもらいたい」との趣旨で皮膚科心身医学研究会を創設されたことに始まります。年1回の研究会開催を経て、2001年に岡部先生が逝去された後は斉藤隆三先生が会長を務められました。第18回以降は会頭を持ち回りとし、2010年第24回研究会終了後、皮膚科領域における心身医学のさらなる発展を目的として日本皮膚科心身医学会が設立されました。2011130日、羽白誠会長のもとで第1回日本皮膚科心身医学会が開催され、その後も毎年、理事の先生方が会長となり学会を継続してこられました。初代理事長は上出良一先生、第2代理事長は檜垣祐子先生、第3代理事長は羽白誠先生が務められています。

 

皮膚科心身医学は、皮膚症状(bio)に加え、心理面(psycho)、社会面(social)を総合的に診る学問です。皮膚疾患は慢性の経過をたどることが多く、痒みの持続や皮疹が目に見えることによる心理的負荷も大きいとされています。

近年、皮膚科領域では生物学的製剤やJAK阻害薬など薬物療法の進歩が著しく、従来の標準療法では改善が困難であったアトピー性皮膚炎、乾癬、蕁麻疹などの慢性疾患のコントロールが可能な時代となりました。心理社会的背景に配慮した全人的診療は、これらの薬物療法を使用する際にはその効果をさらに高め、減量や休薬の場面でも補完的役割を果たすことが期待されます。また、心身医学的アプローチは新規薬物療法を使用しない患者さんにも適応できるという強みがあります。

 

本学会の学術活動としては、年1回の学会開催に加え、日本皮膚科学会総会での教育講演、日本心身医学会でのシンポジウム、世界皮膚科学会(WCD)における北米皮膚科心身医学会・欧州皮膚科精神科学会との合同シンポジウムなど、多岐にわたる取り組みを行っています。

 

さらに、本学会では皮膚科心身医学の教育にも力を注いでまいります。皮膚科心身医学を学ぶことで医療面接スキルが向上し、患者対応に習熟することで診療過程が円滑になり、診療のやりがいも一層増すことでしょう。エキスパートの先生方は受容と励ましのプロフェッショナルであり、心身医学を志す先生方の強力な支援者となります。
本学会が皮膚科医の皆様の研鑽にお役に立てることを心より願っております。

 

202621

日本皮膚科心身医学会

理事長 堀 仁子




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